● 市民センター改修をめぐる経緯
2013年(平成25年)、「狛江市公共施設整備計画」に基づいて市民センターの耐震診断が行われ、耐震診断の結果、耐震性に大きな問題がないことがわかりました。同時に組織された「市民センター改修検討委員会」では、4回の委員会を経てリフォーム程度の改修案が作成されました。しかし、改修費用の予算が検討前の2億7,000万円から5億円へと増額となったことや、「狛江市公共施設整備計画」で公民館、図書館のサービスのあり方を検証した上で改修を行うとされていたことが行われなかったことに対し、多くの市民から「リフォーム程度の改修に5億円もかけるのではなく、増築や新築などの検討もしてほしい」との声が挙がり、4,000余筆の賛同署名と共に提出された「市民センター(公民館・図書館)の増床を視野に入れた改築を求める陳情」が2013年(平成25年)12月市議会において、全会一致で採択されました。
その後行われた市民説明会や、公民館利用者懇談会において、「市民センターの改修計画は、市民の声や意見が反映されていない」との発言が多数出され、40を超える市民団体が「狛江市民センターの増改築を市民と共に考えてほしい」と要望書を提出しました。
それを受け、市は2014年(平成26年)4月に改修工事の実施設計を発注したものの、6月議会にて市長が凍結を表明、8月に開かれた市民説明会で、市民への説明が不十分だったことで、市民への誤解や不信感を招いてしまったと謝罪し、本来改修検討委員会で行われるべきであった3つの項目を、時間をかけて市民とともに考えていくとの方針を示しました。
1. 生涯学習・社会教育施設のあり方の検討
2. 公民館・図書館の機能並びにサービス提供のあり方の検証
3. 市の計画、財政状況の検証
その後、
公民館・図書館再生市民プロジェクト(30余りの公民館利用者団体および図書館のあり方を考えてきた市民グループからなる組織) が中心となって、市と市民センター改修についての市民参加のあり方を相談してきましたが、その話し合いの中で市より、かつて狛江駅北口開発の際、「狛江駅北口問題を考える市民の会」を設けて市民と市が一緒になって計画案を作成した時の経験を参考に、 市民が自主的、主体的に関わる新しい市民協働を提案されました。その提案を、私たちは、現在行われている行政主導の市民参加ではない市民が市と対等に計画をつくるという「新しい市民協働」 だと評価し、市と協定を結び、様々な支援を受けて進めていくために、「市民センターを考える市民の会」を組織することとなりました。市は、市民の会の改修案を尊重して市の改修計画を作成するとしています。
「市民の会」では今後、市より会場、資料、アドバイザーの提供、市報やホームページを使った広報など、協定に基づく協力と支援を受け、1年をめどに市民センターの改修案をまとめていきます。
● 「市民センターを考える市民の会」 が目指すもの
「市民センター」は、狛江のまちの真ん中、大変利便性のいい場所にあります。現在は公民館と図書館が入っていますが、10年、20年後を視野に入れた時、どんな施設であることが望ましいのでしょうか。公民館や図書館の充実はもちろんのこと、他にどのような機能があったら、多くの市民に喜ばれるのでしょうか。
「市民の会」は、市民の自主的かつ主体的な組織です。市政に市民の意見を反映させ、市民と行政の協働のまちづくりを推進することを目的とし、単なる要望ではなく、公民館や図書館の役割をしっかりと捉え、だれにとっても使いやすい市民センターの実現を目指します。
そのためには、市の計画や財政状況を知り、公民館・図書館のあるべき姿、地域センターや地区センター、学校施設などとの連携のあり方、子どもや障がい者、外国人や高齢者など弱者にとっての視点、空き家対策、人口動態等々、狛江のまちの現状を共有し、1年をかけて、実現可能な改修案をまとめます。
市民が集まり、公共施設のあり方を考えることは、私たちがまちをつくることにつながっています。市民の視点、生活者の視点を持った私たち一人でも多くの市民が、市民センターの改修に関わることで、市と市民の新しい協働の形が生まれます。
「市民センターを考える市民の会」は、
・意見が違って当たり前。違う意見や自分の思いを当たり前に出し合える話し合いを大事にします。
・公民館、図書館の利用者のみならず、多くの市民の声が反映されるよう、そのプロセスがまちづくりのエネルギーにつながるよう活動します。
ぜひ関心と関わりを持って、参加してください。