2016.12.16
最近の状況と今後の活動を説明する 総会 を開催しました。
・日時: |
2016年12月16日(金)19:00〜21:10 |
・会場: |
中央公民館 講座室 |
・出席者: |
33名 |
・配付資料: |
(1) 市民センター増改築等調査委託仕様書
(2) CLT の特色を活かした増築について
(3) 市民センター増改築等調査委託仕様書4案比較表(参考)
(4) 木造建築の事例
(5) こまえ市民まつり(2016年11月13日(日)開催)で配布したPRチラシ
配付資料(1)~(5)は、こちら からダウンロードできます。 |
CLTとは Cross Laminated Timber の略称で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されています。
日本では2013年12月に製造規格となるJAS(日本農林規格)が制定され、2016年4月にCLT関連の建築基準法告示が公布・施行されました。これらにより、CLTの一般利用がスタートしています。
CLTは構造躯体として建物を支えると共に、断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性などの複合的な効果も期待できます。木の表面をそのまま見せて用いると、木目や木の肌触りを感じる心地のいい空間ができます。また、木材は持続可能な循環型資源であり、森林資源を有効活用した省CO2型の建物を建てられます。
その他にも、工場内で一部の材料を組み立ててから現場に搬入するプレファブ化による施工工期短縮が期待でき、接合具がシンプルなので熟練工でなくとも施工が可能です。災害時の仮設用住宅にパーツとして保管し、必要な時に組み立てて利用することも考えられます。RC造などと比べた場合の軽量性も大きな魅力です。
◆ 議長・書記選出
・代表 立川節子より、議長に馬場信義、書記に木村博則の提案があり、出席者から了承された。
◆ 議題提示
・議長から、本総会の議題について以下の提示があった。
- 報告事項: 本会の活動と行政の動き
- 審議事項: 1. 市民センターの木造による増築案の推進
- 審議事項: 2. 行政による市民センター分散案の問題点と今後の対応
- 審議事項: 3. その他
審議の順序で、「1. 木造増築案の推進」と「2. 行政による市民センター分散案の問題点と今後の対応」の順序を入れ替えたほうが良いのではという動議があったが、議論の結果、当初提示の順序どおりとなった。
◆ 活動報告/代表・立川節子
・2016年4月に市民提案書を提出後、特に「コミュニティスペース」の重要性、「木造建築による増改築」の有効性に関して検討した。
・10月には市民センター利用者の方々にも呼びかけ、3回にわたる
意見交換会 を開催した。
◆ 市民センター増改築等調査委託仕様書(行政の動き)について/代表・立川節子
・行政(狛江市)が2016年9月5日、日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社と締結した
業務委託内容 を紹介。
・この中では次の4つの案が提示されている。
第1案<新築案> 現市民センターを解体し、同敷地に新築する。
第2-1案<既存改修+増築案> 現市民センターの改修と縦横増築
第2-2案<既存改修+木造による増築案> 施設内容は第2-1案に準じ増築部分は木造
第3案<分散案>
・これら4つの案に加えて地下湧水の活用も含めた検討を行い、2017年3月17日までに調査報告書(全体模型も含む)を行政に提出することになっている。
・行政は調査報告書を受領後、「市民説明会」、「市民アンケート」を実施し、その結果も踏まえて実施計画を作成し、予算化する予定。
◆ 審議事項1/市民センターの木造による増築案の推進
立川節子代表による市民センター増改築等調査委託仕様書に係る説明(上記)を受け、木村博則事務局長が、本件の趣旨を説明した。
・市民センター増改築等調査委託仕様書4案比較表(参考)の説明/世話人・小尾将彦
行政が調査委託している4つの案に対し、比較項目を16項目(建築費用、工事の代替施設の必要性、アクセス/立地の便利さ、市民提案書尊重度、公民館機能、図書館機能など)あげて検討した結果を紹介。この比較表では 第2-2案<既存改修+木造による増築案> の評価が高く、第3案<分散案>が最も低かった。
木造増築を適用した場合、補助金支給の可能性があること、木の香りは健康面で良いこと、防火性能、耐震性にも優れた木材の開発が行われ、実用化していること、既存の建築物の上に木造増築というハイブリッドの公共施設は多分、日本ではじめての事例となるはずで「水と緑のまち、こまえ」にふさわしいのではないか。
・木造増築案に関する出席者からの意見
木造建築には軽量で縦増築し易い、断熱性能が良い、床面の当たりが柔らかい、再生可能資源であるなどの点で賛成であるが、あくまで市民提案書の実現が前提条件であり、それを忘れることのないようにして欲しい。
具体的には、事務局が市に提案し、第2-2案として採用された縦増築のみの案に狭く限定しないで、縦横増築・木造新築なども視野の中に入れておく必要がある。例えば、市民提案書で1階部分の必要面積を考えると増築の場合には200㎡弱、横増築するのが望ましくなるなど、色々なことが出てくるためだ。ハード・ソフトを含めた市民提案書の実現が私たちの目的だ。
・採決/議長・馬場信義
第2-2案<木造による増築案> の推進を市民の会の意見として承認する案の採決を行い、拍手多数により総会で承認された。
◆ 審議事項2/行政による第3案<分散案>への対応
・第3案<分散案>の問題点/世話人・堀 恒一郎
公民館・図書館はそれぞれの目的を持って設置される教育施設である。公民館は学習の総合施設、図書館は専門施設として、その役割を果たすべく教育行政の系統に位置づけられているが、同時に両者は緊密な連携を保つことによって、それぞれの施設目的を達成することが可能となる機能を有している。
また、公民館・図書館の実施する事業のうち、重複あるいは類似する事業であるため、協力して実施すればより効果を得られるのではないかと思われる。公民館において学習の高度化に対応していくには、書籍、資料、各種情報の駆使が必要となるが、これは図書館からの提供に頼らざるを得ない。
地域資料の収集、提供も公民館・図書館共同で行ったほうが効果的なことは言うまでもない。公民館と図書館とは相互に連携協力して機能が発揮できるので第3案のように分散するのは運営上からも利用者側からも大きな問題がある。出席者からも同様の意見が出た。
・第3案<分散案>に関する出席者からの意見
行政は「『市民提案書』をもとに改築・増築等のパターン毎に整備費用や将来必要な費用を明らかにして実現の可能性を調査する。」と述べているが、第3案は提案書にない項目なので、断固抗議・反対すべきである。市は市民提案書を尊重すると約束しており、その約束に違反しているためである。
あえて第3案を含めた市の意図に危険を感じる。この第3案は現市民センターを図書館として使用することになるだろう。そうなれば、公民館はまったくバラバラになり、単なる貸部屋となる。それは事実上の公民館の解体にもつながる。明らかに現状より悪くなる案だ。木造建築の普及とともに、今の時点から明確に第3案反対の運動をすべきだ。
第3案が他の案より建築費用が安くなるという調査結果が出た場合、他の案と同列で市民アンケートをとれば、費用の安さで支持を集める可能性がある。アンケート項目に入れること自体に反対すべきである。
「市民の会」第2ステージの最大の目的は市民提案書の実現をはかることにある。第3案では、公民館、図書館が一体的に機能するとうたう市民提案書の核心部分が保障されない。2014年8月の市民説明会で、市民の声が反映されていないとして棚上げとなった当初の市の改修案(リフォーム程度)に戻ることになり、近隣施設で補完されるとはいえ、1年かけて広く市民が検討した結果が全く生かされない。
以上から第3案は市民提案書を尊重しているとはいえず、「市民の会」としては受け入れがたい。
市の調査が、市民提案書をもとに実現の可能性を調査すると言っているが、第3案が提案書に沿っていないことを市民に知ってもらうためには、ソフトとハードを含めた提案書の中身をさらに市民に知らせて行く必要がある。また意見交換会でも、利用者から具体的な設備や構造について意見が出されていた。調査結果を待つのではなく、利用者の生の声を聞き、みんなで市民センターを作って行くという思いを共有したい。
視覚が不自由な人に本を朗読し、録音することをボランティアで行っている。録音室の充実を希望する。
あいとぴあ に常駐していた社協職員が、
高架下の市民活動支援センター事務所 に行ってしまったため、以前のようには相談や対応をお願いできなくなって困っている。公民館が分散配置となると職員に相談したいこともすぐには対応してもらえなくなるのではないか。また高齢者が利用しやすい施設を考えて欲しい。例えば、使いやすい駐輪場の設置など。
行政が市民の会の提案を受け入れ、第2-2案<増築部分に木材を使用する>という項目を入れたのは評価すべき。
第3案は比較検討表でも明らかなように、他の案と比べるとメリットが少ないので、市民の会としては、評価しないという見解をのべることは必要だ。しかし、調査結果の内容が明らかでない現状で、第3案のみ反対というのは時期尚早である。木材を使用するメリットをもっと行政や一般市民に知らしめる活動に重点を置くべきだ。
行政(市)が、現有資源の有効活用という観点で第3案を検討することは自然なことと言える。しかし、第3案では市民提案書の趣旨を実現できないのは、皆さんが言われるとおりである。
市民の会に関わっている人には当然のこととわかるが、広く市民や市の職員に理解してもらうには、市民提案書のイメージをもっと具体化する必要がある。
また、公民館・図書館はただ一緒にあれば良いというわけではなく、堀 恒一郎氏から世話人にいただいているメモでは、最後に「現在の公民館・図書館の状況がベストとは言えない。今後、そのあり方の探求を深めていく必要がある。」とされている。コミュニティ・スペースをはじめとする新しい市民センターのイメージや、公民館・図書館連携のあり方をもっと具体化して、その必要性を説明できるような取り組みを当面の活動の一つとしてほしい。
市の調査委託した案では、市民の会の資料「4案比較表」の点数を見ても第3案ではダメなことは明らか。
現地増床なしで市民センターを分割するという第3案は、市民提案書をもとにしたものとは言えません。業者への仕様書には、市民提案書をもとに具体的な検討案の策定が発注されていますが、市民提案書にない案が盛り込まれたのはなぜなのか、市に聞きたいところです。
市民提案書では、市民と行政が対等な立場で、専門家の意見も聞きながら市民センター増改築をすすめていくことを提案しています。この点からも、市民提案書の反映、市民協働でのていねいな議論の積み重ねを求めていくことが必要だと思います。
・採決/議長・馬場信義
「第3案<分散案>(既存改修+別施設活用+別棟新築)には、市民の会として反対する。その活動方法および時期については、今後議論していく。」とする議決案を提案し諮った結果、異議なく拍手多数により承認された。
◆ 今後の活動について
・第2-2案<木造建築による増改築> を推進する。
- 見学会、勉強会、意見交換会等を実施し、知識を習得する。
- 見学会の開催予定:12月22日(木)桐朋学園音楽部門仙川新キャンパス
・市民へのPR
- 2017年1月
08日(日)
「こまえ初春まつり」(多摩川緑地公園グランド)にて 市民の会のPRチラシ を配布予定。
- 2017年1月21日(土)
参加と協働市民フォーラム「
狛江☆サミット」
(狛江市防災センター)に参加予定。
- その他:
活動に関する要望や企画などは、メール等で提案して欲しい旨を参加者に依頼した。
以上