2016.07.25
小金井市立貫井北センター を訪問しました。
ぬくいきた
2016年7月25日(月)、平成26年(2014年)から市民のNPOが運営を業務委託されている 小金井市立貫井北センター(公民館・図書館)を訪問し、施設見学および 「公民館のあすを考える会」(小金井市)との
交流会 を実施しました。
貫井北センターは、新しく建てられた社会教育施設であり、時間をかけて積極的に市民の意見を取り入れただけあって、とても魅力的でした。設計にあたっては、プロポーザルを行っています。近年プロポーザルでは、環境やユニバーサルへの配慮は外せない条件になっているとのこと。福祉的配慮は公民館では欠かせないと館長さんの説明にありました。
私たち「市民の会」が提案している施設案と重なる内容も多く、若者が集う開放的なロビー、オープンな事務室、狛江と同様に音楽関係の利用が多いとのことで、ホールやスタジオ(ドラム付)は大人気でほぼ空きが無いそうです。各会議室は間仕切りで調整可能、部屋の外ともフラットでロビーまで一体にすることができ、広場のように使えます。社会教育施設として
無料※で使えます。
※ 狛江市では、平成18年(2006年)から公民館で施設使用料を導入。三多摩の公民館ではおおよそ半数の市が無料。
建物もさることながら、センター建設にあたっては、3年かけて、公民館講座で、公民館・図書館についての学習、私たちがめざす活動と施設の関わり、ユニバーサルデザインの考え方、夢を出し合い、相互理解を深めるワークショップ、若者の居場所など、市民自身が考えていく学習が行われたと聞き、公民館として確かなものを感じました。
昭和28年(1953年)の公民館設立当時からおこわれている、市民が職員と共に講座づくりをおこなう企画実行委員制度も大変参考になりました。
市民が日常的に公民館の運営に参加し、誰でも思い切り活動できるようにという公民館の継続が、小金井市は市民活動が盛んであるということにつながっていると思いました。
(報告/世話人・青木香奈)
小金井市 「公民館のあすを考える会」 との交流会報告
日_時: |
2016年7月25日(月) 13:30~16:00
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会_場: |
小金井市貫井北センター(公民館貫井北分館・図書館貫井北分室)内 公民館学習室A室
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出席者: (敬称略) |
(小金井市) 公民館のあすを考える会
倉橋良子、小暮浩彦、菅沼七三雄、野口圭子 (以上4名/50音順)
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特定非営利活動法人 市民の図書館・公民館こがねい
村山孝一 (公民館貫井北分館長)
田中_肇 (図書館貫井北分室長)
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(狛江市) 市民センターを考える市民の会
青木香奈、菊田聰裕、田中怜子、苫米地茉莉子
西尾真人、馬場信義、林 健彦、堀 恒一郎 (以上8名/50音順) |
内_容: |
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1.自己紹介
2.公民館のあすを考える会の概略
・ 2013年当時、2014年開設予定の貫井北町地域センターの運用等の課題発生。従来より公民館活動に携わり、公民館活動に関心の深い仲間(新旧公運審委員・新旧企画実行委員・町会長経験者など)で設立。社会教育の場としての公民館活動の在り方、市民参加をいかに発展させていくか、市民への情報発信、等を議論し、実践していくことを主として活動。
・ その他、公民館での自主講座開催(資料参照)、公民館運営審議会・公民館長への提言書提出など。
3.貫井北センターの建設経緯
・ 建設(基本設計)市民検討委員会 2010.7~2011.1 (委員13名/8回)
・ 市民の声を聴く会 2010.8(3回)
・ 障がい者の視点からの意見を聴く会 2011.1(1回)
・ 実施設計検討委員会 2011.6~2012.3 (委員13名/6回)
・ 公民館で、新しいセンターを考える講座開催
○2010年度 (全14回)
センター中心機能の公民館・図書館について、私たちがめざす活動と施設の関わり、ユニバーサルデザインの考え方、夢を出し合い相互理解を深めるワークショップ、若者の居場所など。
○2011年度(全6回)テーマ別のゼミ型講座
居場所つくりゼミ、環境活動ゼミ、情報の収集と発信ゼミ、文化・芸術ゼミ、地域に根ざした図書館づくりゼミ、健康づくり活動ゼミ
○2012年度(全12回)公民館事業をつくろう講座開催
センターの実施設計がまとまり、前年のゼミの各分野からのプレゼンをもとに、新公民館でどのように展開できるか、どのような課題があるかを検討する講座。
4.企画実行委員制度の紹介
・ 昭和28年(1953年)公民館設立と同時に公民館条例で設置(委員43名)
・ 昭和43年(1968年)現在の制度がスタート
・ 任期2年、各館6名(計30名)、定例会毎月1回、5館の企画実行委員連絡会(年2回)
・ 主催講座の企画、運営、準備会、当日の運営、全講座の反省を行い、次の講座につなげ、地域づくりへと発展させる。
・ 事業計画、予算の紹介
5.市民センターを考える市民の会の活動紹介
6.意見交換
・ 会の運営は意見をどうとりまとめているか?→話し合いで合意。
・ センターの建設計画に合わせて、公民館講座など手厚く組まれていて、市民意見の反映や市民が考え参加できるようにという姿勢が見える。→3年目は実施設計が済んでからの公民館事業の検討となった、本来事業計画があっての施設設計が必要。
・ NPO運営は?→北センターと東センターを運営。指定管理ではなく、事業委託。施設管理は市。
・ 職員の立場は?→職員はNPOが雇っている。専門性のある職員。
7.貫井北センター(公民館・図書館)の見学
NPO法人市民の図書館・公民館こがねいの村山孝一氏(公民館長)、田中 肇氏(図書館長)の説明を受けながら見学。
○ 公民館
・天井採光、外壁を陶器で遮光(表から見えず、中からは明るい)
・ 屋上太陽光パネル20KW(昼間の電力位をまかなう)、LED
・ プロポーザルで。今プロポーザルでは、環境・ユニバーサルは外せない条件になっている。
・ 福祉的配慮は公民館では欠かせない。ユニバーサル→多目的トイレ(オストメイト)、授乳室(暖色光)、点字案内、エレベーター(13人)、福祉的配慮は公民館では欠かせない。
・ 部屋をフラットに。部屋とロビーをフルフラットにして、センター祭りをおこなう。汎用性に合わせて使える。全体の遮音性高い→ピアノ、カラオケなど音を出すグループが多い、防音のホール以外でも大丈夫。
・ 部屋の貸し出し→5館共通。1時間単位で貸し出し、ひと月16時間まで、あるいは、4コマまでのどちらか。(例えば4時間×4コマ、8時間×2コマ)当日空いている場合は上記に含まない。休み時間なし。次のグループが使う時間までに清掃終えて返す。市HPから施設予約。
○ 図書館
・ 公民館との事業協力→YA講座開催
・ 読書テラス(通りの音は気になるが良い雰囲気)
・ 小金井市立図書館の地域館 蔵書約5万4,000冊(一般書3万5,000冊、児童書1万9,000冊)
・「滞在型図書館」がコンセプト、理念はすべての人に開かれた図書館;貸出冊数無制限、貸出期間3週間等。
・ 狛江の中央館とほぼ同じ面積(約700㎡)だが、まとまっているのでむしろ広い感じ。
・ 閲覧(読書)スペースが何か所か用意され、ゆったりしている。
・ 新聞雑誌コーナーにはソファーが用意され、ブラウジングコーナーとなっている。
・ 書架間隔もゆったりして、車イス利用者も気兼ねなく利用できる。
・ 子ども室は入ってすぐの位置にある。中央に円形のおはなし室があり、ゆったりした雰囲気。
・ ヤングアダルト・コーナーあり。YA通信を発行。
・ 視聴覚資料としてCDを集め、貸出している。
・ 書棚が木製でおちついた雰囲気。
・ パソコンの持ち込みはOK。ただWI-FI設備、自動貸出機はなかったようだ。
・ 読書会、対話カフェ、園芸クラブ(読書テラスで植物を育てる)、ビブリオバトル(お気に入り本の紹介合戦)等イベントは多い。
・ 運営は、NPO法人市民の図書館・公民館こがねいに事業委託。実際はNPO職員が担当、全員司書有資格者。地域センターとしては初めての委託。
(以上の報告作成にあたっては、同センターの
ホームページ も参照しました。)
小金井市立貫井北センター訪問/フォトギャラリー
貫井北センター入口
1階図書館入口
「公民館のあすを考える会」との交流会
「公民館のあすを考える会」との交流会
公民館長より説明を受ける
料理室
窓から外光の差し込む和室
公民館廊下
学生が勉強中のフリースペース
明るいフリースペース
フリースペースにある高齢者優先席
若者スペース
フリースペースとの可動式間仕切り
フリースペースと事務室
事務室のオープンカウンター
グループロッカーと印刷機
バリアフリートイレ
暖色系ライトの授乳室
公民館部屋割掲示板
図書館入口
図書館全体図
図書館入口の案内板
書棚で図書館長に説明を受ける
図書館の工夫 1
図書館の工夫 2
テラスの閲覧席
子ども室床はコルク
ビブリオバトルの賞をもらう
作業所が運営する喫茶コーナー
市民の会の参加メンバー